旧大社駅 きゅうたいしゃえき

出雲大社の玄関口として栄えた壮麗な木造駅舎 infomap

1912年(明治45年)に出雲今市と大社間を結ぶ大社線が開通し、それに伴い開業したのが「国鉄大社駅」です。出雲大社の表 玄関口として参拝客など多くの人で賑わい、一時期は東京・大阪・名古屋から直通列車が運行されていたほどでした。

年間200万人以上が利用していた最 盛期の昭和30年代。駅の前に観光バスがズラリと並んでいる。

年間200万人以上が利用していた最 盛期の昭和30年代。駅の前に観光バスがズラリと並んでいる。

2代目となる現在の駅舎は1924年(大正13年)に改築されたもので、 441平方メートルの木造平屋建て。大社線廃止後、駅舎を調査した際 に発見された上棟式の棟札から、設計したのは当時の神戸鉄道管 理局の技手であった丹羽三雄氏であることが分かりました。


木造建築の駅舎は全国でも珍しく、黒い屋根瓦に漆喰の白壁という純和風のデザイン。
1990年の大社線の廃止により駅舎も惜 しまれつつ役割を終えましたが、豪壮な外観とその存在感は今なお健在です。

左右対称で社殿風な造りは出雲大社を意識しており、中央屋根部分の両端には鴟尾(しび)、屋根の合掌部分には懸魚(げぎょ)が取り付けられています。
また鉄道駅らしさを感じる動輪マーク入りの鬼瓦や、屋根の下(くだ)り棟の先端には様々な形をした亀の瓦も見られ、威風凛然とした外観に遊び心を感じます。

建築にあたっては当時の建築界の先駆者であり、同時期に出雲大社神苑の整備設計に携わっていた伊東忠太が助言をしたのではないかと言われています。

発見された棟札

発見された棟札



動輪マークの鬼瓦

色んな形の亀の瓦を探してみて

この優美な駅舎は1982年に「日本の建築200選」に選ばれているほか、2004年には国の重要文化財、また2009年には 近代化産業遺産にも指定されました。

当時のままの駅名標

重厚感のある駅舎内は 和と洋が融合する大正ロマン

広々とした三等待合室。
画像奥は駅長事務室、 左奥には皇族等が休憩に使われた貴賓室がある

正面から駅舎内に入った所が三等待合室です。
柱のない広々とした空間のホーム側中央に、どっしりと据えられた木製の出札室(切符売り場)は駅舎内のシンボル的存在。

出札室内部には机や黒電話、回転式の切符収納棚などが当時のまま残されており、昔を思い出して懐かしさを感じる人も多いようです。

細部まで美しくデザインされた木製の出札室

出札室内には当時使用されていたものがそのままの形で保存されている

出札室内には当時使用されていたものがそのままの形で保存されている

高い天井の高窓から外の光が差し込んで駅舎内を明るく照らし、天井と漆喰の壁から吊るされた和風のシャンデリアが和洋折衷な趣きを一層強調しています。
現代のシステム化された駅舎と比べると、昔とはいえここが駅舎だったとはにわかに信じがたい風格を感じます。


出札室を正面に見て右手奥には一・二等車の乗客の待合室と小荷物扱室があり、左手には事務室と、皇室からの勅使が使用した貴賓室がそのまま保存されています。
かつてここが出雲大社の参拝客で賑わっていた様子がよみがえってくるような、当時の雰囲気をそのまま感じられる空間です。

 灯籠型の和風シャンデリア

事務室側から見た三等待合室。奥の部屋は向かって右側が一、二等待合室、左側が小荷物扱室

平成2年廃線当時の運賃表もそのまま

一等・二等待合室は展示室になっており、当時の鉄道用品などが並んでいる

残されたホームと線路が語る数々の物語

往時を偲ばせる場所は駅舎の外側にも随所に残されています。木製の改札口、忙しく動いていたであろう信号機、たくさんの人が並び、列車に乗降していたホーム、石製の団体用改札口...。

精算用の窓口

珍しい石製の改札口

二面三線の長いホームを持つ大社駅には今も線路が残されており、三本目の線路にはSLの通称「デゴイチ」と呼ばれる D51774号機が保存され、当時の光景を彷彿とさせてくれます。

1951〜1961年までの期間は東京と大社間の直通急行列車「出雲」が運行され、その後も1980年代までは「大社」や「だいせん」といった急行列車や参詣者の団体臨時列車などが乗り入れてきていたため、ホームはかなり長く作られています。
最盛期には年間300本近い臨時列車がここを往来していたというので、いかに隆盛であったかが分かります。

明治45年の開業から廃駅になる平成2年まで、日本は目まぐるしく変化する激動の時代でした。
それぞれの時代背景の中で別れや再会、旅の思い出など、ここでたくさんのドラマがあったのだろうと想像を掻き立てられます。
利用者の減少により78年の歴史に幕を下ろした大社駅は今なお人々に愛され続け、歴史を語る貴重な財産として現在も多くの人がその姿を見に訪れています。

旧大社駅前からの参道。ここから出雲大社までは徒歩で15分程度。最終日は多くの人が見守る中、C571号機「JR大社駅さよなら列車」が運転されました。
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info詳細

名称 旧大社駅(特集記事)
カテゴリ 歴史・文化 名所・旧跡
住所 島根県出雲市大社町北荒木441-3
問い合わせ電話番号 0853-53-2112(出雲観光協会)
営業時間 9:00~17:00
定休日 年中無休
駐車場 有り 約150台
平均予算(お一人様) 無料
交通アクセス R出雲市駅から「出雲大社・日御碕・宇竜」で「旧JR大社駅」下車、徒歩1分

JR出雲市駅から「大社線(南原経由)」で「ショッピングタウンエル」下車、徒歩3分

一畑電車「出雲大社前駅」下車、徒歩13分

出雲市駅から車で15分
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